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■ まずは先生のプロフィールをお聞き出来ますか。
都内の公立小学校・地区教育委員会指導室長・教育センター所長等を経て、本年度より国立音楽大学附属小学校にまいりました。その間、伊豆諸島の一つである御蔵島で4年間、教頭として勤務し、へき地・小離島の教育に携わったことがあります。
また、全国連合小学校長会の常任理事として各地の小学校や教育委員会と連携して小学校教育の向上に努めてきました。体力向上・健康教育やオリンピック・パラリンピック教育が専門です。私立校での経験はありませんが、「全ての子どもは有能である」という子ども観と「関わる人が自分の仲間であることを学ぶ場」という学校観のもと、魅力ある学校づくりに努めてまいります。
■ 教育理念についてお聞きできますか。
教育理念は、「豊かな知性・感性を土台とする人間形成」であり、初代校長有馬大五郎は「本物を見、聞かせる」ことを唱えました。黒柳徹子さんが書かれた「窓際のトットちゃん」で知られる小林宗作も「リトミックを取り入れた、子どもの感覚・感性を磨き、想像力・創造力を伸ばす教育」を実践するため、本校創立に携わりました。
教育目標は「よく考え、進んで行動する子ども」「思いやりのある、心の温かい子ども」「元気よく遊べる子ども」です。
■ カリキュラムや授業のポイントについてお聞かせください。
専科教員による専科の授業が大変充実しています。
音楽系科目では、楽しく関わりながら子ども自身の興味・関心を育み、基本から学びを深めていく「音楽」、動くことを活かして生き生きとした音楽の力を育む「リトミック」、学年合同でさまざまな歌を表情豊かに歌う「コーラス」、合わせる楽しさをたくさん経験し、創作にも取り組む「器楽」の授業があります。これらの活動を通して、音楽の力だけでなく、創造力や協調性などの力も育てています。学習の成果の発表の場として、毎年国立音楽大学の大ホールで音楽会を行っています。
また、造形でも子どもたちの個性や感性を育んでいます。造形室には陶芸窯が設置され、1年生から陶芸に取り組みます。12月には造形作品展が開かれ、子どもたちの創造性溢れる作品で音小が美術館のようになります。
理科では、授業の一環で「理科見学」を行っています。3年生では群馬県で一日かけての昆虫採集、4年生では多摩六都科学館見学、5年生では首都圏外郭放水路見学、6年生では地層見学・化石採集に行きます。このように本物に触れることで、深い学びに繋がっていきます。
英語の授業は、1年生は週1回、2年生以上は週2回行っています。
1〜3年生は、歌遊びや絵本の読み聞かせ、語彙活動が中心の授業です。4〜6年生は 歌や絵本、語彙活動で聞いてきた語彙や表現を整理しながら学んでいきます。
ライティングやリーディングをより取り入れています。どの学年も発音練習やドリルといった機械的な学習ではなく、意味のあるやりとりを重視しています。子どもたちは、英語が使われる場を通して、英語を学びます。 授業以外にも、近隣の大学に留学している外国人留学生との交流会を行っています。また学年により、日本人教師と外国人ALTのティームティーチングも行っています。
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